2014年11月21日金曜日

Fujinon EBC 200mm F4.5 分解清掃


 仕事の帰りに何気なく近所のハードオフに行ってみた。最近はあまりいい物が無いので店に入るのも久しぶりだ。カメラレンズのジャンクコーナーに立ち寄ると見慣れないレンズがあった。

  Fujinon EBC 200mm F4.5 ... カビありで800円+税。


 見てすぐM42マウントは認識できたが、こんなレンズあったんだなあ。 知らなかった。レンズ表面は汚いが、清掃すれば大丈夫そう。全体的にきれいな方ではないか?

 スマホで情報検索しても、海外の掲示板にコメントが幾つかあったが、レンズ構成とか諸元などほしい情報が無かった。「Fujinon」「EBC」の二文字が気になるので購入し、お持ち帰り。




 ヘリコイドのトルクや全体の印象から、あまり使われずカビが生え何らかの理由でハードオフに来たようだ。

 カビも見た感じではレンズが分解できれば簡単に除去できそう。ただ、他のレンズと違いフロントのレンズをどう取るか?わからない!





 自宅のPCでネット上の情報を調べてもこのレンズの情報はほとんど無い。分解に関する事例などがあればと思ったが、何もなかった。

 分解する前に、カビの位置を確認し、フロント側からアプローチした方が良いと判断。





 早速分解に取り掛かろうとするが、レンズを外そうにもレンズオープナーが使えない、カニ目を刺す溝もない。初めてのケース。


 考えなしに力技で壊すのももったいないので、分解は一時中断する。

 暫く、いじくりまわし様子を見る。普通に考え、簡単に分解整備が出来るように技術者は考える(そうでないケースもあるだろうが)のではないか?レンズをくるくる回したり、絞りをいじくっていると、妙な溝を見つける。




 タクマーの200mmでレンズのフロント部分が回り、レンズが外れたという記事を思い出す。

 ゆっくり壊さないよう、左右にゆっくり力を加えると回った!



 こんな感じです。



 ここまで分解できれば、カニ目も使えるので、後はいつも通り清掃しようとするが、レンズが接着剤で固定されているようで回らない。うーーん。

 もしかしたらと思い少し左右に回してみると、回転し始めた。





 簡単に取れた。

 カビの箇所を確認すると、




 このレンズらしい。外そうとオープナーを当てようとすると、レンズに当たる。指で回してみると、少し力を加えたら簡単に外れた。


 レンズを取出し、清掃する。


 このレンズの向きに注意!よく見るとレンズの膨らみ方が違う。表側、裏側(絞り側)があるので注意しないと、レンズの性能が出なくなる。後で組みなおすのは面倒なので、慎重に作業をする。


 必要な清掃が完了したら、逆の手順でくみあげる。


 このレンズのフードだが組み込みは良いのだが、モルトが経年劣化し、スカスカ状態。横にすると、フードが少々垂れ下がりみっともない。これもついでに修繕する事にする。

 フロントのレンズを外すと、2段組みのフードが外れる。

 フードの一番下に、フードを固定する輪っかあるのでこれを外すと、フードがバラバラになる。







 無水アルコール、綿棒、マイナスドライバーで古いモルトを剥がし、手元にあったモルトを張り付ける。

 フードの作業が完了したところで、すべてを組み付ける。



 きれいになっている!!


 X-E1で使うためマウントアダプタをはめようとすると隙間ができる。。。???






 早速この突起物の正体を調べる。フジカのボディーを使っている時に便利な機能として、開放測光用の「連動ピン」だという事が分かった。他のM42が使えるボディーでは、このピンが邪魔をするらしい。フジカボディーは持っていないし、デジカメ利用が主な目的なので、「削る」事にした。

 金属の材質は柔らかいので、手持ちのやすりでゴリゴリ。

 改造中のFujinonレンズ。



  指で触って違和感がないところまで削る。素人が思いつきで行った作業のため、周辺も削ってしまった(かなり気を配り対処したつもりだったが。。。)。










 削ったところは油性マジックで傷隠し。もう一つ目的があり、削った箇所が盛り上がっていた場合、その部分だけマウントアダプターと擦れるので、調整するには便利。2回ほど削り直し調整する。

 やっと撮影できる状態になった。


*追加

 海外のサイトで、Fujinonレンズの諸元表を見つけた。

http://www.pentax-manuals.com/fujica/lenses/m42_lenses.htm