仕事の帰りに何気なく近所のハードオフに行ってみた。最近はあまりいい物が無いので店に入るのも久しぶりだ。カメラレンズのジャンクコーナーに立ち寄ると見慣れないレンズがあった。
Fujinon EBC 200mm F4.5 ... カビありで800円+税。
見てすぐM42マウントは認識できたが、こんなレンズあったんだなあ。 知らなかった。レンズ表面は汚いが、清掃すれば大丈夫そう。全体的にきれいな方ではないか?
スマホで情報検索しても、海外の掲示板にコメントが幾つかあったが、レンズ構成とか諸元などほしい情報が無かった。「Fujinon」「EBC」の二文字が気になるので購入し、お持ち帰り。
ヘリコイドのトルクや全体の印象から、あまり使われずカビが生え何らかの理由でハードオフに来たようだ。
カビも見た感じではレンズが分解できれば簡単に除去できそう。ただ、他のレンズと違いフロントのレンズをどう取るか?わからない!
自宅のPCでネット上の情報を調べてもこのレンズの情報はほとんど無い。分解に関する事例などがあればと思ったが、何もなかった。
分解する前に、カビの位置を確認し、フロント側からアプローチした方が良いと判断。
早速分解に取り掛かろうとするが、レンズを外そうにもレンズオープナーが使えない、カニ目を刺す溝もない。初めてのケース。
考えなしに力技で壊すのももったいないので、分解は一時中断する。
暫く、いじくりまわし様子を見る。普通に考え、簡単に分解整備が出来るように技術者は考える(そうでないケースもあるだろうが)のではないか?レンズをくるくる回したり、絞りをいじくっていると、妙な溝を見つける。
タクマーの200mmでレンズのフロント部分が回り、レンズが外れたという記事を思い出す。
ゆっくり壊さないよう、左右にゆっくり力を加えると回った!
こんな感じです。
ここまで分解できれば、カニ目も使えるので、後はいつも通り清掃しようとするが、レンズが接着剤で固定されているようで回らない。うーーん。
もしかしたらと思い少し左右に回してみると、回転し始めた。
簡単に取れた。
カビの箇所を確認すると、
このレンズらしい。外そうとオープナーを当てようとすると、レンズに当たる。指で回してみると、少し力を加えたら簡単に外れた。
レンズを取出し、清掃する。
このレンズの向きに注意!よく見るとレンズの膨らみ方が違う。表側、裏側(絞り側)があるので注意しないと、レンズの性能が出なくなる。後で組みなおすのは面倒なので、慎重に作業をする。
必要な清掃が完了したら、逆の手順でくみあげる。
このレンズのフードだが組み込みは良いのだが、モルトが経年劣化し、スカスカ状態。横にすると、フードが少々垂れ下がりみっともない。これもついでに修繕する事にする。
フロントのレンズを外すと、2段組みのフードが外れる。
フードの一番下に、フードを固定する輪っかあるのでこれを外すと、フードがバラバラになる。
無水アルコール、綿棒、マイナスドライバーで古いモルトを剥がし、手元にあったモルトを張り付ける。
フードの作業が完了したところで、すべてを組み付ける。
きれいになっている!!
X-E1で使うためマウントアダプタをはめようとすると隙間ができる。。。???
早速この突起物の正体を調べる。フジカのボディーを使っている時に便利な機能として、開放測光用の「連動ピン」だという事が分かった。他のM42が使えるボディーでは、このピンが邪魔をするらしい。フジカボディーは持っていないし、デジカメ利用が主な目的なので、「削る」事にした。
金属の材質は柔らかいので、手持ちのやすりでゴリゴリ。
改造中のFujinonレンズ。
指で触って違和感がないところまで削る。素人が思いつきで行った作業のため、周辺も削ってしまった(かなり気を配り対処したつもりだったが。。。)。
削ったところは油性マジックで傷隠し。もう一つ目的があり、削った箇所が盛り上がっていた場合、その部分だけマウントアダプターと擦れるので、調整するには便利。2回ほど削り直し調整する。
やっと撮影できる状態になった。
*追加
海外のサイトで、Fujinonレンズの諸元表を見つけた。
http://www.pentax-manuals.com/fujica/lenses/m42_lenses.htm