2014年8月16日土曜日

バルサム切れタクマーの修理

 バルサム切れで曇っているタクマー(100mm/F4)を入手。

 外見は非常にきれいでフード付き(これも傷なし)。ただ、曇っており非常に安かった。普通であれば、バルサム切れはパスするが、一度バルサムの修理をしたいと少し前から考えていた。

 これも何かのご縁。思い切ってやってみることにする。

 購入後、どの部分で曇っているか確認。
 

・ちょっと実験

 バルサムの効果はいろいろな方が記されているが、実際バルサムがない状態ではどのように映るのか?

 テスト撮影はX-E1。

  開放で撮影。やっぱりダメ。他数枚撮影するが、画面下半分が部分的にボケて使い物にならない。



・状態確認





  1枚目が曇っていた。バルサムを取る方法として、色々ネットで紹介されているが、お湯を使うことにする。水を入れた鍋にレンズを入れ、沸騰させる。しばらく放置。

 暫くTVを見てから(火の元が見える位置で)割り箸でレンズの外周を持ち、少し力をかけてみるとぱかっとレンズが外れ、バルサムが薄い膜となり取れる。

 結果として、古いバルサム取る方法は後で記すホットプレートの方法が良いように感じる。

 レンズ表面に付着している古いバルサムは無水エタノールを使いゆっくり清掃。






・ バルサムの貼り付け

 通販で購入したカナダバルサムは常温では粘性があり、温めないととても使えるものではない。

 温める道具は家庭にあったホットプレート。食事に使うため、念には念を入れバルサムが他に付かないようアルミホイルを使いカバーする。バルサムを温める皿もアルミホイルで作る。




 割り箸でバルサムを少量取り出し、アルミホイルの皿に載せる。割り箸にもかなり付着するのと、レンズにバルサムを塗る際、粘性の強いバルサムが付かないよう一緒にアルミホイルの皿に載せておく。バルサムが温まればいいので、設定温度を100-120度程度にする(我が家のホットプレートは表示がなく保温の位置に合わせる)。

 レンズも張り合わせる面の確認を行い、バルサムと一緒に温めておく。レンズが常温のまま張り合わせると、バルサムがその場で固まってしまい最初から作業をしないといけなくなる。 



 バルサムが温められて、サラサラになったところで、レンズの上にバルサムを塗布する。空気の泡が外周に集まるよう中心から外側へと塗るようにしてみた。

 ここからが本番(作業に集中し画像なし)。

 レンズを張り合わせ、綿棒を使い上から力をゆっくりかける。余ったバルサムがレンズからはみ出てくる(一緒に空気の泡も)。

 塗布したバルサムの量が多かったため、下のレンズにべったり付く。バルサムは無水エタノールで取れるので、ここでは慌てない。

 一番重要なのは、上のレンズと下のレンズが見た目ずれなく合わさっているかが重要。ずれていると光軸がずれてしまう。新しい割り箸を使いずれていれば修正を行う。

 きっちり合わさったら、ホットプレートの電源をOFFにする。

 冷えるまでしばらく放置。

 冷えた後、余ったバルサムを無水エタノールでふき取る。周囲を黒く塗る必要があったので、子供が使っていた「uni POSCA PC-3M(水生顔料インク)」を使うことにする。 これなら間違ってレンズ表面についても無水エタノールで取れる。


・テスト撮影

 早速組み付け、テスト撮影。

 X-E1を使い開放で撮影。


 他にも撮影してみたが、問題なく撮影できる。

 修理後の結果はあまり期待はしていなかったが、これならしばらく遊べる。



参考にさせて頂いたブログ